雑記帳 ブログ
雑記帳 ブログP10
高精細300線の同人誌
「東京のK様から」、うれしいメールをいただきました。
日曜日に届きました。表紙、本文共に、
とてもキレイに仕上げて頂きありがとうございました。
特に表紙は高精細300線の鮮やかで深みのある色合いに感動しました。
特殊紙、ポスト紙、両方に映えるクオリティの高さに、サークル一同感動しています。
この度は大変お世話になりました。次回も是非お願いしたいと考えています。
本当に有難うございました。
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瀬戸の海の思い出
キャンピングカー・レオバンクスを駆って、
この夏、瀬戸に浮かぶ小さな島に一泊で遊びに行った。
鷲羽山と坂出の間、
備後瀬戸の水道に位置する「与島」というほんとに小さい島である。
昔は、この島も塩飽諸島の自然の一点景だったのだが、
今では、上を瀬戸大橋が跨ぐように架かり、
岡山と坂出を結ぶ鉄道や、自動車道などが走って、
近代的な風景に生まれ変わっている。
その与島に立って西方を眺めると、
渚の先に、
ほんとに目睫の間に「本島」というかなり大きい島が視界に飛び込んでくる。
周囲16km、人口約760人だそうだ。
実はこの島には懐かしい思い出がある。
子供のころ、夏休みを利用して海水浴に赴いた際、
何日か島の民宿にお世話になったことがある。
その時、一番驚いたのは、海水浴ならぬ潮干狩りに出かけた時のことだった。
若い漁師さんが、大勢の
(といっても10人くらいだが)
僕たちと同じ年くらいの子供たちを焼玉エンジンの船に乗せて、
塩飽諸島の水路をどんどん走った。
美しい海。汐のしぶきが舳先に砕け、海面がキラキラ光る。
目にするもの、手に触れるもの、どれもこれも初めての体験に、
とても心が弾んだのを覚えている。
それで、相当な距離を走ったのだが、一体どこをどう行ったのかさっぱり分からない。
すると、若いお兄さんは海のド真ん中で突然船のエンジンを止め、
乗っている僕たちに向かって、、
「さぁ降りろ」
という。
えっ、!
こんなところで ?
僕たち、このまま海へ飛び込めっていうの ?
皆んな不安そうに顔を見合わせた。
つづく
瀬戸の海の思い出 (完)
さて、先日の話のつづきだが、
若い船頭の兄さんは海のド真ん中で突然船のエンジンを止め、
乗っている僕たちに向かって、、
「さぁ 降りろ」
という。
降りろと言っても海のド真ん中なのに、一体どうすればいいの?
僕は躊躇しているうちに、だれかが海に飛び降りたらしく
船の前方でバサバサと水音が上がった。
あれっ、と思い、そちらに視線を移すと、
既に 二、三人の子供が海水を踏んで海の中を歩いている。
僕は腰が抜けるほど驚いた、
まるで十戒のモーゼみたい。
そんな衝撃が走った。
しかし、よく見るとその付近一帯は浅瀬らしく、
あちこち砂州が浮いている。
なるほど、やっと理解できた。
この辺りは干潮時になると、海が干上がって砂浜になるのだ。
僕は、ようやく正気づいてゆるゆると海に降りた。
船を降りた付近は、20センチくらいの深さだったが、
歩いているうちにだんだん浅くなり、やがて砂浜に辿り着いた。
広い。
とても広い砂州だ。
長さ1キロくらいもあろうか。
細長い帯状の形をした砂浜が遠くまで続いている。
それが、どちらを向いても回りは海、遠方に瀬戸内海の島々が霞んでいる。
そのド真ん中に砂州が浮いているなど
まるで魔法の世界に入り込んだみたいだった。
蒼い空、紺色の海の真っ只中で、大勢の人が汐干狩をしている。
ほんとに信じられなかった。
やがて、汐干狩が済み、船が砂州から離れる時分になると、
その砂州は再び海中に消えていった。
そこは
「 番の州 」
という浅瀬であることを後から知らされた。
おわり